稲垣栄洋『雑草に学ぶ「ルデラル」な生き方』(亜紀書房)

p58
ルデラルは弱者の戦略である。人間のマーケティングの世界では、弱者の戦略として「ニッチ(niche)」という言葉が使われる。強者のいない環境と聞いたとき、「ニッチ」という言葉を思い浮かべた方もいるだろう。
 (略)この「ニッチ」は、もともとは生物学で使われていた言葉がマーケティング用語として広まったものである。
 ニッチという言葉は、もともと装飾品を飾るために寺院などの壁面に設けたくぼみを意味する。しかし、やがてそれが転じて、生物学の分野で「ある生物種が生息する範囲の環境」を指す言葉として使われるようになった。生物学では、ニッチは「生態的地位」と訳されている。
 ひとつのくぼみに一つの装飾品を掛けるように、一つのニッチには一つの生物種しか住むことができないとされている。

■ニッチという言葉はロングテールなどと並んで一定の利用頻度はあるので普段違和感なく口にするがこのような意味があったとは。

p62
 それでは、ナンバーワン以外の生物はどうすればよいのか?
 どんなに弱い生物であってもナンバーワンにならなければ生き残れない。だとすればナンバーワンになれるニッチを何が何でも探すしかない。
 (略)弱い生物はニッチを欲張ってはいけない。ジグソーパズルのピースは大きいよりも、できるだけ小さい方がいい。小さいピースのほうがはめこむスペースが見つかりやすいというものなのだ。
 (略)条件を小さく、細かくして、細分化されたニッチの中でナンバーワンとなるのである。

■研究者がニッチな分野の論文を書く理由は分かった気がする。その分野でナンバーワンになるためだ。しかし、枝葉で細分化しすぎて面白いのだろうか。強さも求めても良いのでは?戦国武将の如く、雑草からルデラルを学ぶ強者もいるかもしれない。

p63
「逆境」「変化」「複雑さ」がニッチを作る

■優れたタイトル。結局どうすんだというのがまとまった。

p65
誰にも負けないカテゴリーを作る
私たちの生き方に照らし合わせて見るのであれば、生態学でいうニッチという言葉は、ボジショニングという言葉に置き換えたほうがわかりやすいかもしれない。
 もし、あなたが圧倒的な強者ではなく、ルデラルであるなら、世の中が当たり前と思っている価値観の中にポジショニングすることはけっして有利ではない。
(略)孫子は「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」といった。しかし「百戦百勝は善の善なる者にあらず」ともいった。百戦勝つよりも、戦わずに勝つ方がよいというのである。
(略)場所を徹底的に探すことが大切なのだ。
 個性の時代と言われて久しい。誰にだって個性はある。しかし、個性を活かして成功したいのであれば、誰にも負けないカテゴリーはどこか、探さなければならない。

■小さな範囲、複雑で、変化に富むようなところをスピーディに支配w

p102
理想的な雑草のコンセプト
アメリカの雑草生態学者ベーカーは、一九七四年に「理想的な雑草のコンセプト」を発表したが、その中で、「成長が速く、速やかに開花に至ることができる」ことと、「不良環境下でも幾らかの種子を生産することができる」ことを理想的な条件の中に挙げた。
(略)「好適な条件では、生育可能な限り、長期にわたって種子生産する」

■大輪の花に負けないたくさんの花≒チューリップに負けないアサガオ のような図式、このような成長を続けるため「無限成長」と呼ばれるとも記載がある。で、とりあえず小さな花を一つ咲かせてみなよ、というアドバイスのようだ。なる。

p157
「新品に価値がある」という価値観
「新品に価値がある」
じつは、これこそが日本の価値観である。
そういえば「女房と畳は新しい方がいい」ということわざもあった。
西洋のワインは古ければ古いほど価値があるが、日本の酒や茶は、新酒や新茶が好まれる。
ボジョレ・ヌーボという新種のワインをありがたがるのも日本人である。初鰹や新そばなど初物を重んじるし、茶道や華道で季節を先取りした花を飾るのも、日本人の新しもの好きゆえだろう。

■これ以外にも新車などを例に挙げている。断言しているところが主観的だとも思うが意外とそうかもしれない。と抵抗は少ない感じだ。
 逆に「中古」には本来価値があるものが日本では安かったりするかもしれない。

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