指田豊『八王子の薬草』(かたくら書店新書)

やはり畑の中や周りに多い草にカラスビシャクがある。高さ二十センチメートルほどの草で、地下に直径が一ー二センチメートルの球があり、引き抜くとこの球が残ってまた芽が出てくるので、昔の農家の人にはきらわれものの雑草だった。ところがこの球は漢方では半夏(はんげ)と言って吐き気止めの妙薬である。形は赤ちゃんのお菓子の衛生ボーロそっくりで真ん中に茎のとれた後が臍のように残っている。そこで臍のある栗という意味でヘソクリの別名がある。比較的に高く売れたので、昔の農家のおばさんは農作業の傍らこの球を集めて、薬屋に売ってお小遣いを貯めた。これがへそくりの語源だそうである。 (p.23-24)

■葛(くず)の根を葛根(かっこん)と呼び漢方薬の葛根湯の原料になっているとか、葛粉で作ったもちが葛餅とか、日常の名詞にストーリーや意味が付与されるのは面白い。ただし、素人が生半可な知識で服用したり、効能を過度に期待することについては繰り返し戒めている。薬湯が最初は良いかもしれない。実物に触れるなど八王子市の施設として、東京都高尾自然科学博物館、森林総合研究所 玉森林科学園、高尾自然動植物園、東京薬科大学 薬用植物園、また、薬草解説の良書として、大塚敬節『漢方と民間薬百科』(主婦の友社)を挙げている。

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